北九の仲間(2021/7/15 No.1328)
今月号の記事
連載記事
北九州市議会でも採決 コロナ禍の時期だからこそ大幅引き上げを
6月議会で「全国一律最低賃金制度の段階的な実施を求める意見書」が圧倒的賛成で可決・採択しました。
連合傘下の労組に北九州地区労連も資料提供など協力し、与党会派の提案となったことも採択につながりました。「段階的な実施」という記載はありますが、全国一律制に向けた大きな一歩です。
今年の最低賃金の引き上げの目安を議論する中央審議会が始まりました。コロナ禍を理由にした最低賃金の抑制は許されません。格差の是正、地域経済再生のためにも全国一律の実現を行い、8時間働けば「ふつう」の暮らしができる最低賃金にすべきです。
最低賃金とは
最低賃金法第1条によると「この法律は・・・労働者の生活の安定、労働力の質的向上及び事業の公正な競争の確保・・・国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする」、同法9条では「地域における労働者の生計費及び賃金並びに通常の事業の賃金支払い能力を考慮して定めなければならない」「労働者の生計費を考慮するに当たっては、労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるように・・」と明記されています。「健康で文化的な最低限度の生活」とは、ギリギリの生活ではなく、むしろ普通の暮らしに近いものと考えるべきです。
全国どこでも変わらない生計費
近年、3%前後の賃上げが行われていましたが、昨年はコロナ禍の影響もあり、全国平均は1円引き上げの902円でした。最も高い賃金は東京1,013円、最も低い賃金は792円(7県)とかなりの開きがあります。政府は時給1,000円を早期に達成するという目標を示しています。
しかし、全労連が実施しているマーケットバスケット方式による最低生計費調査の結果からは、25歳の若者が普通の暮らしをするためには月額22万から25万が必要であるという結論が出ています。時給に換算(月150時間換算)すると1,500円から1,600円になります。大都市は生活費がかかるから賃金も高くなり、地方は生活費が安いから賃金は低くなるという常識を明確に否定しています。
署名にご協力を
市職労は「全国一律で時間額1,500円以上の最低賃金実現を求める署名」の取り組みを今年も行っています。職場に署名用紙を回覧していますので、ご協力をお願いします。
北九州市の今を考える④ 商店街の衰退(市職労自治研部・是石喜文)
大規模小売店・出店の特徴
2000年度から18年度までに新設届出があった1,000㎡以上の大規模小売店123店について、「店舗面積」「業態」「立地環境」の3面から整理し、その立地の動向をみてみた。
【店舗面積】 店舗面積別に分けてみると、1,000㎡~3,000㎡が61店と最も多い。次いで3,000㎡~6,000㎡が39店である。 また、6,000㎡~10,000㎡は12店、10,000㎡以上が11店になっている。
届出期間を、3期間(00~06、07~13、14~18)に分けてみる。①00年度~06年度では、3,000㎡~6,000㎡が21店と多い。郊外への出店が一部規制される「まちづくり3法」の改正を控えて、6,000㎡~10,000㎡でも6店、10,000㎡以上も7店と面積が広い大型店が、比較的に多くなっている。②07年度~13年度は、店舗面積が狭い1,000㎡~3,000㎡が22店に増えている。③14年度~18年度は、1,000㎡~3,000㎡が26店に増加している。6,000㎡を超える大型店がほとんどない。
店舗面積別には、北九州市では、6,000㎡を超える大規模店の新設が少なくなり、1,000㎡~3,000㎡のコンパクトな店舗に出店がシフトしていることがわかる。
【業態】 業態別に分けてみると、食品スーパーとドラックストアが、それぞれ27店と多くなっている。次いで総合スーパー25店、専門店(電気製品、スポーツ用品、家具等)23店と続いている。ホームセンターは11店、ショッピングセンター8店、寄合百貨店2店となっている。
届出期間をみると、①店舗面積が10,000㎡以上のショッピングセンターは、00年度~06年度に7店と、07年度前に届出が集中している。②07年度以降、ドラックストアが、07年度~13年度10店、14年度~18年度13店と、徐々に増えている。③総合スーパーと食品スーパーは、全期間を通じて、コンスタントに届出がされている。
最近の動向として、北九州市では、ショッピングセンターや専門店の新設が減り、ドラックストアやスーパーマーケットが増加している。
【立地環境】 立地環境別に分けてみると、幹線道路沿線型が54店で一番多く、次いで住宅地域型が40店と多い。駅前・駅周辺型は14店で、商店街・商業地型は2店と少ない。
届出期間をみると、①00年度~06年度は、幹線道路沿線型17店、住宅地域型13店、駅前・駅近辺型10店と、各所に新設届出がみられた。②07年度~13年度になると、幹線道路沿線型が26店と多くなる。駅前・駅近辺型への届出は減った。③14年度~18年度は、幹線道路沿線型が11店になり、住宅街に立地する住宅地域型が19店に増えている。
立地環境別では、北九州市の既存の商店街・商業地型に1,000㎡を超える大規模店舗が立地することは少ない。 最近の立地は、幹線道路沿線型や住宅地域型に集中している。 (次回へつづく)
平和憲法を守ろう
7月3日土曜日、憲法共同センターの宣伝行動が小倉駅で開催されました。
コロナ対策は後手々々
菅政権はコロナ対策そっちのけで、国民の個人情報を侵害する可能性の大きいデジタル関連法や高齢者の健康への悪影響が心配される医療費負担の倍化法、基地周辺や国境離島などの住民を監視する土地利用規制法、CM規制がなく財政が裕福な勢力に都合の良い改定国民投票法などの悪法を国会で次々と強行する一方で、国民にコロナ禍で様々な制限を押し付ける中であってもオリンピック・パラリンピックを開催しようとしています。
五輪中止!いのちを守れ!
ワクチン接種について、高齢者は進んでいると言われますが、職域接種でワクチン不足が報道されるなど、まだまだ不十分です。
また、変異株ではワクチンを接種しても効果がどうなのか心配です。現実にイギリスやイスラエルなどで変異株の拡大が報道されています。
北九州市では、まだまだ心配な数字が続いています。東京では、第五波が来ることが懸念されると訴えましたが、後日その通りとなり「緊急事態宣言が発出」されました。
五輪は、首都圏無観客となりましたが、「休業要請」連続で、売り上げも無く緊急融資の返済猶予も切れ困窮する飲食店や事業者が続出することは間違いありません。
これで五輪・パラリンピックが楽しめるのか。五輪を止めて、今「助ける人」をただちに救済する政策を実行させるために声を上げようと参加者が次々に訴えました。
北九州ぶらり散歩 キタぶら
戸畑祇園山笠中止残念
200年以上の歴史を誇る戸畑の祇園さんが、昨年に続き今年までも中止となってしまいました。
1957年に福岡県の文化財に指定され、笛や鉦、太鼓などのにぎやかな調べで祭りを盛り上げ、光のピラミッドと表現される提灯山が勇壮に戸畑の街を駆け抜ける姿は、感動ものです。
戸畑祇園山笠は、昼は本来の姿といわれる幟山笠で金糸銀糸の刺しゅうを施した格調高い華麗な姿で東・西・中原・天籟寺を祭り期間中運航しています。
祭りの中日に全8基の山笠が幟や幕類などの飾りを取り払い山笠台の上に5段の提灯をくみ上げ、提灯をともします。その手さばき速さは、圧巻です。
現存する祭礼幕は、慶応元年制作のものであるが、大半は明治初期から中期に制作され祇園にふさわしい勇壮な武者絵などの絵柄が金糸銀糸で刺繍され、とホームページで紹介されていました。
現在、国庫補助等を活用して順次復元新調が行われています。
写真は、2年前に復元新調された東大山笠の「見送り」と「幕類」です。
来年こそは、戸畑祇園を存分に楽しみたいですね。
9条の会
ニューヨークの国連本部で122か国の賛成により「核兵器禁止条約」が成立した日から7月7日で4年。その前日の6日の夕方、3か月ぶりの6・9行動を行いました◆本年1月22日に発効したこの条約は、現在54か国が批准。唯一の戦争被爆国である日本もこの条約に参加することを求める署名は今全国で取り組まれています◆新型コロナの影響で、7月から8月にかけての平和の行動も規模を縮小して実施されていますが、来月の6・9行動は8月9日の長崎原爆記念日に実施します。まん延防止等緊急措置も解除されました。感染対策に留意しながら実施します。是非一度参加されませんか?