北九の仲間(2021/9/15 No.1330)
今月号の記事
連載記事
コロナ禍での1年半 私たちの働き方と健康は?ー女性部アンケートより
市職労女性部では、様々な職場を対象にアンケートを実施しています。今回のアンケートはコロナ禍での女性職員の働き方と健康、昇任への意識、要求等を調査する目的で実施しました。7月に約3200枚を配布し、正規職員429名、会計年度任用職員等383名、合計812名の方から回答を得ました。ご協力ありがとうございました。
感染症が発生し1年半以上になります。私たちの日常や働き方も大きく変わっています。コロナ対応に追われる感染症対策部のみならず、保育所や学校現場、日々窓口対応をしている区役所職場など、市役所全体でコロナとの闘いの日々が続いています。さらに子育てや介護を行っている職員はその心労も溜まっています。
また会計年度任用職員制度が始まって2年目となりますが、正規職員との処遇の差はひらいたままです。
そして今年度から昇任試験制度も改善され、子育て世代などへの試験勉強の負担減が期待されますが、昇任に対する女性の意識は変化するのでしょうか。
職場の感染対策は
アンケートによると、テレワーク・時差出勤などの対応を行っていない方が全体の78%をしめ、公務職場では出勤者を減らすことが難しいことが表れています。
職場の感染対策については15%が不十分だと答えていますが、その理由として最も多かったのが「換気ができていない」でした。その他「共有の備品などの消毒」「休憩室が狭い」「パーテーションが不十分・劣化」「食事や歯磨き時」「マスクをしていない職員がいる」「おしゃべりが多い」等があげられていました。
また保育現場では「子どもは密にならざるをえない」と対応が困難な状況も。各職場、職員一人一人もう一度感染対策を見直す必要があります。
職員の働き方・職場の人員は
時間外勤務は正規職員の59%、会計年度任用職員等の21%が行っていました。時間は平均すると月10時間程度でしたが、中には月100時間を超える方もいます。
またサービス残業・持ち帰り残業も正規職員の26%、会計年度任用職員等の11%が行っていました。サービス残業・持ち帰り残業の理由は「短時間だから」「自分の考えで」がほとんどでしたが、中には「申請しづらい」「上司が認めない」「全部申請していたらすごいことになる」「休日出勤を削除」「昼休みに」「消毒業務が増えたが時間外が申請しづらく昼休みが15分くらいしか取れない」という声も。
人員については正規職員の41%、会計年度任用職員等の29%が「足りていない」と回答。「人員が全く足りず一人の負担が大きい。いつ病気になってもおかしくない」「係長不在で相談する相手もいない」「一人で重い業務を任されストレス。皆同じような状態。副担当がいても機能していない」「重責で逃げ出したくなる」「人減らしで事務ミス、チェックの強化でさらに業務が増えるという悪循環」「子どもが欲しいが、今の職場では妊娠に前向きになれない」「頭数はいても全員がフルに働けないと回らない」「人員が増えてもすぐに病休者が出た」等多くの方が深刻な職場の状況を訴えています。
また、コロナ業務の応援を行っている部署では、「兼務をやめてほしい。体は一つしかない」「職員が応援に取られ、本来業務が回らない」「避難所応援もあり多大な負担」との声、その他の職場も「消毒で業務が増えた」「クラス別保育の時間延長でさらに事務時間が取れない(保育所)」ともともと人員不足している中、コロナ業務でさらにギリギリの状況になっています。
職員の健康は
心身の疲れに関しては、全体の85%の方が疲れを感じていますが、その中でも疲れが回復せず翌日に残る方が26%、慢性的に疲れている方が14%となっています。
仕事でのストレスは多少(61%)、大いに(12%)と多くの方がストレスを感じ、寝つきが悪い、眠れないと答えた方は10%でした。長引くコロナ対応、人員不足による業務の増大で職員の健康が心配です。
生理の困難、職場でも
閉経されている方を除き、月経異常や月経時に症状がある方は39%にものぼりました。 そのうち生理休暇を取得している方はわずか5%、残りの方は「鎮痛剤を使用して出勤している」「耐える」「おむつ型のナプキンを使用」「本当につらい時は年休で休む」等と回答。「男性もだが女性の中でも休暇を取ることに理解のない人もいる。両性の目線が必要」という声もありました。性を問わず生理について理解を進めていく必要があります。
仕事を辞めたいと思うことや不安は
正規職員、会計年度任用職員等ともに仕事を辞めたいと思うことや不安があると回答した方は約50%でした。その理由は正規職員では多い順に「自分の健康」「仕事に向いていない」「家庭との両立」「家族の病気」「対人関係」「仕事の高度化」でした。
一方会計年度任用職員等では、圧倒的に「雇い止め・次の雇用があるか」「給料が安い」が多く、次に「自分の健康」「対人関係」「家族の病気」と続きました。
昇任に対する意識は
現役の正規職員のうち昇任を希望する方は19%。「仕事の幅を広げたい」等前向きな理由もありましたが、「断りにくい雰囲気」「すすめられるから」という方も。
一方、「意義を感じない」「今よりも増える業務に耐えられない」「ワークライフバランスを大事にしたい」「勉強する時間がない」等の理由で47%の方が希望しないと回答しています。
男女平等や女性の登用を進める上で解決すべき課題は何かの問いには、「家事育児等の固定的分担意識(174)」「時間外を前提とした働き方(124)」「両立支援制度の整備(119)」「福祉施設の整備(111)」「管理職や男性の意識(98)」となっていますが、ほとんどすべての方が複数の項目を選択しており、課題は多いと感じました。
あなたの要求は
正規職員では「人員を増やしてほしい」が「給料をあげて欲しい」をわずかに上回り要求のトップとなりました。 会計年度任用職員等では圧倒的に「給料をあげて欲しい」が多く、「一人では生活できない」「短時間勤務だと苦しい」「神経を使う仕事なのに額が少ない」「退職金がないことが老後の不安」と多くの記述もあり非常に強い要望であることが表れています。
その他「子育て支援休暇は対象を中学生や高校生まで」「同居の家族の看護休暇があればいい」「年休をすべて時間休に」「支える人に配慮してほしい」等、様々な要望や意見が寄せられています。
忙しい中、貴重なご意見をありがとうございました。女性部ではこの声を背景に、この秋、要請行動や早朝宣伝に取り組みます。働きやすい職場をご一緒にめざしましょう。
医療・介護・保健所の体制強化で コロナ危機の打開
9月5日小倉駅で「政府に医療・介護・保健所の削減を止めて国民の命を守る全国一斉緊急行動」を北九州地区労連や医療団体、新婦人や人権連などで実行委員会をもち取り組みました。
新型コロナウイルス感染拡大が止まらないどころか、福岡県では千人を超える日もあり、自宅療養者が1万人に迫ろうとし、北九州市でも二百人を超える感染者が出る日もあるなど医療崩壊寸前の状況ではないでしょうか。
いのちとくらしを守るべき菅首相は、緊急事態宣言を発出するたびに、国民に「自粛」ばかりを求め、それにともなう補償については、まともに行わない、一方で五輪については、「安全安心」だけを主張し、中止・延期を求める国民の声を全く無視し続けたのではないでしょうか。
いま、新型コロナウイルスに感染しても、病院での治療が受けられず命を落とす人が後を絶たない、そうした報道が連日されています。
まさに医療崩壊が起きているのでは、ないでしょうか。
この日の宣伝行動では、医療・介護従事者や利用者がその切実な実態を訴えました。
保健所の状況
市職労からも保健所の状況について訴えました。
第五波に入り、過去に見られなかったような感染拡大が続き保健所では、保健福祉局内だけでなく区役所からも、応援に入るなど体制強化の努力はしても業務に追いついてない状況。自宅療養の方が増え続け電話だけでの健康観察では不安があること。若い人でも基礎疾患が無くても重症化する例もあり、基本入院かホテル療養できる体制確保が必要、と訴えました。
北九州ぶらり散歩 キタぶら
世界遺産にトコトコと
今日は、黒崎駅から筑鉄に乗って少し旅気分。筑鉄は、黒崎から直方まで専用軌道でつないでいます。
電車は、懐かしい西鉄時代の路面電車や最新車両も。
黒崎から、約20分で希望ヶ丘電停に。そこから歩いて10分ほどで、世界遺産遠賀川ポンプ場が。
「明治日本の産業革命遺産」1910年(明治43年)建設のポンプ場は今も現役。八幡製鉄所の鋼材生産のためにつくられたとのこと。
当初は、石炭ボイラーの蒸気式から50年に電気モーターに変更。110年を過ぎた今でも製鉄所で必要な水の70%を送水している。おしゃれな外観のレンガは、イギリス積みでアーチ窓や丸い装飾で教会みたい。
筑鉄の沿線には、木屋瀬宿など見どころも。
また、「へい!ちくてつ一日フリーきっぷ」は、黒崎駅から直方駅までの筑鉄乗り放題に直方駅から平成筑豊鉄道で行橋までもフリーで乗れます。その沿線の、田川伊田駅では、「田川市石炭記念公園」が。新豊津駅では、国分寺三重塔。行橋駅には、舟路川など見るところがいっぱい。
時には、ゆっくりと電車にゆられて史跡めぐりはいかが。