いのちと健康センター(2021/01/01 No.155)
SDGs 持続可能な未来へ 2030年へ向けみんなで行動を
「SDGs」は、「このままでは美しい地球を、豊かな社会を将来の世代につないでいけない」と、世界が持続可能な社会になるための17の世界開発目標です。目標は2015年9月国連サミットで193の加盟国によって採択され、30年までに達成を目指します.
17の目標は経済・社会・環境の三つの側面から総合的に私たちの暮らしや権利をとらえたものです。イメージは、貧困や格差、差別をなくし、すべての人が仲間として自然と共生する社会です。
北九州市をSDGs未来都市に選定
北九州市は2018年6月に「SDGs未来都市」に選定され、8月に「北九州市SDGs未来都市」施策を策定しました。これは市として市民に向けた目標です。取り組みの詳細は、市のHPや国連広報センターHPを検索してください。
職場の目標は
「持続可能な」職場の重要な目標のひとつ「働き方」について、市は「SDGs」の施策に、残念ながら触れていません。労使交渉を通じてつくっていくことが重要で、夫々の職場で色々な施策を実行していくためには、すべての職員が人間らしく生き生きと働き続けられる「ジェンダー平等」の目標づくりが必要です。
まず、労働者としての自分の権利を知ることが重要です。
職場でできること
それは賃金や労働条件について、そして職場から不平等をなくし、公正・公平な人事制度が欠かせません。特に、自らの健康を害する働き方がないように、健康管理と労働時間の管理がされなければなりません。
安全配慮義務を果たす
1日の1/3を過ごす職場で、快適に働ける職場環境づくりや長時間労働をなくすことは重要です。
長期化するコロナ感染症対策のために業務が増大しており、心身の過労が危惧されます。当局は使用者としての安全配慮義務をはたすことは極めて重要です。労働組合と具体的な予防基準や残業抑制など協議が必要です。
10年後の働き方
目標を達成することは、開発や効率優先の現状から、自治体労働者として地方自治の本旨である住民の福祉向上のために奉仕する市政の実現だといえます。 そして、デジタル化やAIが急速に進む時代に、住民も、働く私たちも安全で豊かなくらし、貧困や格差、差別がなく、全ての人が仲間として自然と共生する社会を目指すスタートの年です。
デジタル庁創設で行政サービスは(2)
今、マイナンバーカードの申し込みが急増しています。
政府のマイナポイント事業(来年3月までの予定)をTVのゴールデンタイムに有名タレントを起用した「カードを取得すれば1人5千円、家族4人で2万円」との宣伝の効果が発揮されているのでしょう。
市民課は日曜も出勤
市民課に申請専用の受付窓口を設置し、業者委託もしています。そして、第2と最終日曜日の午前中は、職員と嘱託員2人が出勤して、申請を受付てカードを発行しています。
11月の最終日の南区では300人を超す申請で、現場は悲鳴が上がる忙しさ、「休みが欲しい」の声も聞かれます。委託業者も日祭日も市内の指定スーパー等で申請を受付ており、こちらも大変な状況のようです。
なぜ、今、マイナンバーカードか
経団連が推進してきた格差拡大の新自由主義路線はコロナ禍で破綻が明らかになり、政府は、国民の目先を変える必要に迫られてています。そこでマイナンバーカード活用です。
財界の強い要望で、自公政権は国民ひとり一人に認証番号(マイナンバー)を付け、「税、社会保障、災害対策にのみ役立てる」と、制度を導入。最大の狙いは給付抑制でした。
しかし、政府の思惑は外れカード取得者は1割程度。政府はそのことを知りながら、コロナ禍の給付金のマイナンバーカードでのオンライン申請を押し付け、国民と自治体に混乱を広げました。その混乱を逆手にとって「システムが縦割り」「自治体でバラバラ」とか、責任を自治体に押し付け、カードを健康保険証や運転免許証に代用等、有無を言わさない普及策を講じようとしています。
そして個人や自治体の情報を広く紐づけたビックデーターを取得し、一括管理します。このデーターを民間大会社が利潤追求に利用します。
「自助」優先の社会にする
同時に、各人が納めた税・保険料の額と社会保障の給付額を比較して、「公正な給付と負担」の名で徹底した給付抑制を実行し、国の財政負担と大企業の税・保険料負担削減が最大の狙いです。
マイナンバー制度は社会保障を収めた税・保険料に相当する「対価」を受け取るだけの仕組みに変質させ、「自助」が優先され、「自己責任」に後退させるものです。国民の権利としての社会保障はなくなります。
つぶやき 「恐怖人事」
昨年はコロナ感染症に翻弄された一年。異例ずくめの年だった▼7年余に及んだ安倍政権はあっけなく退陣。史上最悪の安倍政治継承を第一に掲げた菅政権。彼は、裁判官・検事・マスコミ・官僚・学者…とあらゆる分野で、政権に批判的な者を排除してきた張本人。日本学術会議の委員任命拒否は学問の自由を侵害する明白な憲法や法律違反の見本。自分に都合のよい政治を進めるためだろう▼2013年に、内閣法制局長官に首相の盟友を法制局外から抜てき。集団自衛権を容認させた。14年には内閣人事局を創設。官房長官として高級官僚600人の人事権を掌握。「反対する官僚は飛ばす」と口にし、実行した。人事権をテコに強権的な恐怖人事で安倍忖度政治を仕切った▼“政権の意向への服従”を強いられた官僚は官邸を“忖度”し、国会で虚偽答弁し、公文書の隠蔽や改ざん、破棄が横行した。政治原則が「法の支配」から「人の支配」への変貌だ▼「捜査中なので」「人事のことは」「個別のことは」と拒否の理由を次々と発明して、政権に都合が悪いことは「お答えは差し控える」と、臨時国会での拒否答弁は実に111回。「法の支配」を忘れた政治の典型だ。官邸の奉仕者に貶められた「官僚」のみじめな姿をテレビ映像で幾度視たことか▼「官僚」も「憲法を遵守し、国民全体の奉仕者」になることを宣誓して入庁したはず。初心に帰って「忖度」なしに国民のために働く彼らの姿を見たい。そのためにも、今年を政権交代の年にする。その意を強くした。(N生)