いのちと健康センター(2021/10/01 No.164)
10月 全国労働衛生週間 職場巡視でしっかり環境改善を
今年も全国労働衛生週間が10月1日(金)から7日(木)まで行われ、スローガンは「向き合おう! こころとからだの 健康管理」です。
あなたの職場では、職員の健康管理や職場環境の改善など、労働衛生に関する意識を高める取り組みが展開されていますか。
コロナ禍で働き方が激変してる
今年は、デルタ株が猛威を振るっており、新型コロナウイルス感染拡大防止の取り組みは、いわゆる“3つの密”(①密閉、②密集、③密接)を避けることを一層強化徹底しつつ、万全な対策が必要です。安全衛生委員会のもと、労使が協力して各職場で対策が行われているでしょうか。
さらに新型コロナ対策に止まらず、衛生週間を活用して職場における病気を抱えた職員の治療と仕事の両立支援とサポートする仕組みの整備や職場におけるリスクアセスメントとその結果に基づくリスク低減対策の実施が求められています。
月残業最高311時間
コロナ対応でワクチン接種の調整を担当した職員が5月に「過労死ライン」を大幅に超える311時間もの残業を強いられていました。
保健所などコロナ対策業務に携わる職場では異常な長時間残業を強いられており、人員増は無論、職場でのメンタルヘルス対策も必要です。
困っていることは一人で悩まず、市職労に相談してください。
首相の突然の一言で職場大混乱
2021年5月、ワクチン接種券の発送と予約受付が北九州市でも本格的に始まった中、菅首相が突然「7月までに65歳のワクチン接種を終わらせる」との発言を発出、その調整のために職員は大変な残業となりました。さらに、7月初め「予約がなかなか取れない」と、早朝5時から数百人の市民が区役所に殺到、しかし、窓口で予約が取れたのは5~6人。職員は一日中、頭を下げ、謝りっぱなしの事態も発生しました。
第五波 陽性者日最高229人
また、第5波のピークとなった8月には北九州市内で1日の陽性者が最高229人と急増して、対応にあたる職員27人が80時間を上回る残業を強いられました。その内の21人は保健所の職員でした。
「呼び出しベルがひっきりなし、相談の電話に出たくても対応中で受話器を取れず対応出来ない」の声も上がっています。
市長は安全配慮義務を果たして
職員の健康を守るのは市長の義務です。長時間労働で心身不調も考えられます。市長は「職員の勤務状況を注視している」だけでなく、異常な残業状態を改善するために必要な人員を年度途中でも配置すべきです。
現場で起きていること
10万円の特別定額給付金の申請が2020年5月に始まり、申請書の発送、必要書類の確認などで担当部署の緊急経済対策課では長時間残業で対応しました。
政府は給付金支給を国民に不人気だったマイナンバーカード普及のチャンスと捉え、オンライン申請優先を打ち出し、現場を混乱させました。
さらに、カードを申請すればマイナポイントを付与し、申請受付に市民課など休日出勤させられました。
10万円の給付やワクチン接種などの方針を政府が自治体と何の相談もなく突然出し、現場は大混乱でした。
コロナ感染症は未だ収束のめどが立っていません。保健所など公衆衛生部門の人員増員は待ったなしです。
つぶやき
自給自足のすすめ
8月、農水省は「2020年度の食料自給率がカロリーベースで37・17%に低下した」と公表。世界でも異常に低い日本の自給率の低下を、私はかねてから心配だった▼小生、「食料自給率向上」と自給自足を思い立ち、農地を借りてお米をつくる、野菜をつくるを実践。10年の年月が過ぎた▼米も野菜も手をかければそれだけ良く出来る。だが、天候の良し悪しなどの自然現象はいかんともし難い。昨年の稲作は、ウンカの大発生で収穫量は7割減だった。野菜はそれなりに収穫出来たが、猪の襲来に悩まされた。今年の稲作は、病虫害も幸いに発生せず何とか平年並みの収穫が出来た▼コロナ禍で食料の輸出規制に踏み切る国が相次いでいる。食料・農産物は緊急時だ、と言ってもすぐに増産できない。外国頼みの農政に危うさを感じる▼米の消費減とともに農地や担い手などの生産基盤が弱体化している。私の近所でも60歳代の従事者がいなくなれば後は誰が継ぐのか当てがない▼歴代自民党政府は「食料も安ければいい」と、際限なく輸入自由化を進めた。しかし、食料は国民の命に必要不可欠で、自給率は国の主権も左右し「食糧安保」とも称される▼地産地消は地球の食糧問題や環境保全の面からも重要だ。海外依存は長距離輸送・大量の石油消費でCO2排出増も。持続可能な社会のためには食料もエネルギーも地産地消が原則だ。地球環境や持続可能な社会のために今日も畑を耕す、頑張ぞ。(N生)