いのちと健康センター(2021/12/01 No.166)
年休はしっかりとれてますか
年休年間5日以下罰金30万円 業務過多 残業は?
コロナ禍 あなたの働き方は
今年度も8ヵ月が過ぎました。みなさんは年休を何日取得していますか。ある局の年休取得状況は、11月中旬時点で、ほぼ半数の職員が5日未満の状況だとか。改正労働基準法は年間に5日以上取得しないと使用者に罰金が課されます。職員に年休取得を促すのも使用者の責務です。
コロナ禍で働き方に変化
テレワーク・在宅勤務や発熱等での交通遮断の取扱い変更などで年休取得が減っていませんか?それはそれとして年休をしっかり取って、心も身体もリフレッシュ、免疫力アップすることこそコロナ対策です。
しかし、コロナ対応や選挙事務などで残業が増えて年休が取りづらいのではないでしょうか。
京都市の人勧では
京都市人事委員会は「新型コロナウイルス感染症については、先が見通せない厳しい状況の下、職員は使命感、責任感をもって真摯に業務に取り組んでいるが、任命権者においては、現下の状況は、職員の心身を擦り減らす危険な状況であるとの認識のもと、使用者として、『安全配慮義務』が課せられていることを今一度強く認識し、職員のいのちと健康を守るため、既存の枠組みに捉われず、長時間労働の是正に向けたあらゆる手段を検討し、積極的かつ迅速に措置を講じていくことを強く求める」と勧告しています。
健康確保に最大の配慮を
さらに、「京都市人事委員会規則で、職員に時間外勤務を命じる場合は,その職員の健康及び福祉を害しないように考慮しなければならないとしている。また時間外勤務時間数の上限は、原則として月45 時間以内、かつ、年360 時間以内で、大規模災害への対処等の特例業務を除いて、例外的な場合であっても、月100 時間未満、年720 時間以内等とすることを定めている。職員を特例業務に従事させる場合であっても、時間外勤務を命じる範囲は必要最小限に留めるとともに、健康確保に最大限の配慮を要することは言うまでもなく、改めて、本委員会規則において時間外勤務時間数の上限規制を設けた趣旨を十分に認識したうえで、特定の職員を特例業務に従事させ続けることのないよう全力で取り組まなければならない」と、すばらしい勧告をしています。北九州市もみならって欲しいものです。
年休は完全消化が基本
年次休暇は、完全消化が当り前の職場にすることで、ヨーロッパ諸国の常識を日本の常識にしたいものです。そのためにも、労基法の最低取得5日を、せめて政府取得目標の70%、14日にしましょう。
仕事が趣味という方もいるかもしれませんが、職員の配置は、年休の完全消化を前提に決める。さらに、業務を見直して効率ばかり優先しないで、平均何日の年休を考えているかも明らかにして示すべきです。
職員の健康確保・心も体もリフレッシュするためには年休をしっかり取得できる職場環境が必要です。
残業縮減を唱えるばかりでなく残業しなくて済む職場にしましょう。
世界各国の年休取得状況
行政デジタル化
北九州市は、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進計画の素案を21年10月に出し、パブリックコメントを11月12日にまで募って、正式に計画策定します。
DX推進計画(素案)では
国の「デジタル庁」創設と「自治体DX推進計画」の策定を受けて、市は「デジタル市役所推進室」を新設(R3.4)。 庁内横断的な総合調整機能を担う組織として市役所のDX推進に関する司令塔となって、すべての行政手続きについて事務の見直しを行い、原則としてオンライン化をする。窓口については「手続きの場から、きめ細かな相談・支援を行う場に変革」するとしています。
窓口に行かなくても
「これまでの、書面・押印・対面による行政手続について、オンライン化を推進し、市役所・区役所に行かなくても市のサービスを受けることができる仕組みを構築するとか。 転入・転出・転居・結婚・離婚・妊娠・出産・死亡・氏名変更等の手続きとともに、テレワークの活用により、場所や時間に捉われない職員の働き方を実現する等、ウィズコロナ・ポストコロナ時代における新たな日常にふさわしい環境を整備していく必要がある」としています。しかし、手続きガイドを見てもほとんどが窓口に行かなくてはなりません。
デジタル区分採用を新設
また、職員採用試験に民間企業等経験者向けのデジタル区分を新設し、令和4年4月1日付で5名程度の採用を予定しています。
岸田政権のデジタル化の狙いは
国の「自治体DX推進計画」では行政手続きの標準化が謳われおり、自治体ごとの独自政策が取り込まれません。そしてなにより、赤ちゃんから死亡時までの膨大な個人情報をマイナンバーカードへ集約し活用したデータの民間活用が言われており、個人データが儲けの対象として取扱われる危険性を含んでいます。批判的な目で注視する必要があります。
つぶやき
気候変動と平和を思う
早12月、1年の締めくくり月でもある。今年もコロナで開けコロナで暮れる1年。そして、例年にも増して暖かい日が続いた。古い話だが学生時代、11月といえば起業祭。八幡製鐵所が操業を開始した11月18日の前後あわせて3日間行われ、おおいに賑わった。祭りの日は度々、霙や霰が降った記憶が蘇る。それにしても異常な暖かさが続く▼地球の気候危機を打開するためにCO2削減が不可避になっている。国連気候変動枠組み条約26回締約国会議(COP26)では産業革命前と比べて気温上昇を1・5℃に抑えることを努力目標にした。実現には一刻も早く脱炭素の流れを加速しなければ、温暖化を起因とする海面上昇や干ばつ等の異常気象被害は止まらない▼ところが世界の脱石炭の流れに完全に遅れた日本政府、前回に続き「化石賞」を受賞した。環境NGO気候行動ネットが温暖化対策に後ろ向きの国に贈る不名誉な賞。恥ずかしくないですか岸田さん!▼もう一つ、12月8日は日本が太平洋戦争を始めた日。古くはお釈迦さまが悟りを開いた日・成道会(じょうどうえ)でもある。日本が起こした侵略戦争の反省の下に創られた憲法9条。これを変えろと維新の会が自民党に嗾け、動きが急だ▼暮らしの基本は平和である「仏法の教えに兵戈無用(ひょうがむよう)“武器も軍隊もいらない”と言う教えがある。地球の未来、暮らしの基本を考える一年だった。 (N生)